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仕切り線1

【24*対面】
地下25階の最奥。
久し振りに対面した二人は……。

「前世界の生き残りは我らのみ……と思っていたが」

 世界樹と一体になった『王』はくっくっと嗤う。

「……まさか、もうひとり、いたとはな」

 枯れ木のような、冷たい、乾いた笑いを浮かべ、王は視る。

 目の前に立つ、黒髪の錬金術師を。

 ごう、と、風が逆巻いた。

 色とりどりの花が宙に舞う。

 ……花を、掴もうと、王はそっと手を伸ばす。

「よりによって、」

 伸ばされた腕、

 それは、

「……ヒトでないものばかりが生き残るとは」

 ヒトの腕の形をしていなかった。

「御愁傷様」

 錬金術師は無感動に呟く。

 彼のメモリは、再起動の際、破損した。

 前時代のデータはひとかけらも残っていない。

 記憶が無いのなら、なかったことと同じだ。

「さあ、」

 黒髪の機械人形は右腕を掲げた。

 ガントレットの指が、がしゃん、と鳴る。

「終わりの、はじまりだ」


仕切り線2
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仕切り線4